行列 3×3 逆 行列の定義

行列 3×3 逆 行列とは、3行3列の正方行列に対する逆行列のことです。行列が逆行列を持つための条件は、その行列が可逆であること、つまり行列の行列式(determinant)がゼロでないことです。行列 3×3 の一般的な形は、次のようになります

A = \(\beginpmatrix a_11 & a_12 & a_13 \\ a_21 & a_22 & a_23 \\ a_31 & a_32 & a_33 \endpmatrix\)

この行列Aの逆行列は、行列式を用いて計算することができます。行列の逆行列Bは、以下の条件を満たしますAB = BA = I(単位行列)。逆行列を求めるための重要なステップは、行列式を計算し、その値を利用して補助行列(cofactor matrix)をつくり、最終的に転置(transpose)を行うことです。

行列 3×3 逆 行列の計算方法

行列 3×3 逆 行列を計算する手順は、次の通りです。まず、行列Aの行列式det(A)を計算します。行列式は次のように求められます

det(A) = \(a_11(a_22a_33 – a_23a_32) – a_12(a_21a_33 – a_23a_31) + a_13(a_21a_32 – a_22a_31)\)

行列式がゼロでない場合、次に補助行列を作成します。各要素にその余因子を掛けます。たとえば、 \(C_11 = a_22a_33 – a_23a_32\) で、同様に他の要素も計算します。次に、その補助行列を転置して最終的に逆行列を求めます。最終的な計算式は以下のようになります

A^-1 = \(\frac1det(A) \cdot \textadj(A)\)

ここで\(\textadj(A)\)はAの随伴行列(adjugate matrix)です。

行列 3×3 逆 行列の応用

行列 3×3 逆 行列は、さまざまな分野で活用されています。特に物理学や工学、経済学などの分野では、システムの方程式を解く際に使用されます。たとえば、線形方程式系AX = Bの解を求めるとき、逆行列を用いることでX = A^-1Bとして簡単に求めることができます。また、コンピュータグラフィックスや信号処理においても、行列計算が重要な役割を果たしています。例えば、行列を用いた変換により、物体の位置や姿勢を簡単に計算できます。

行列 3×3 逆 行列の性質

行列 3×3 逆 行列には、いくつかの重要な性質があります。まず、行列の積の逆行列について、次のように表現できます。AとBが可逆行列であるとき、(AB)^-1 = B^-1A^-1が成り立ちます。この性質は、行列の計算を行う際に非常に便利です。また、行列の逆行列の行列式は、元の行列の行列式の逆数であることも重要なポイントです。すなわち、det(A^-1) = 1/det(A)が成り立ちます。このことからも、逆行列が行列の性質に深く関与していることがわかります。

行列 3×3 逆 行列の計算例

具体的な例を挙げて、行列 3×3 逆 行列の計算を見てみましょう。行列Aを次のように設定します

A = \(\beginpmatrix 4 & 3 & 2 \\ 3 & 2 & 1 \\ 2 & 1 & 0 \endpmatrix\)

まず、行列式det(A)を計算します。行列式は次のように求められます

det(A) = \(4(2*0 – 1*1) – 3(3*0 – 1*2) + 2(3*1 – 2*2)\) = -2

行列式がゼロでないため、次に補助行列を構築し、転置を行った後、逆行列を求めます。この結果、行列Aの逆行列A^-1が次のように得られます

A^-1 = \(\beginpmatrix -1 & 3 & -4 \\ 2 & -4 & 3 \\ -1 & -1 & 1 \endpmatrix\)

このように、行列 3×3 の逆行列を計算する手順を踏むことで、実際の問題に応用できます。